【中道】

やすらぎを熱望する人は、不可思議なる縁によって<発心>を起こす。 そして、かれは両極端を離れた道、すなわち中道を確かなものとするのである。 そして、この中道こそが覚りの境地に至る唯一の道なのである。

中道とは、自分が福徳に恵まれているに違いないという驕りと、自分が悪徳にまみれているであろうという自己嫌悪の両方を払拭し、そのどちらにも汚されない道のことである。

中道を歩む人は、よく気をつけている人である。 よく気をつけている人は、すでに中道を歩んでいる。 かれは、快楽主義や苦行三昧に陥ることがない。

こころある人は、世間の利欲を捨てて、このやすらぎに至る中道をこそ歩めかし。