【孤独な人生と平らかな人生】

愚かな者は、自ら世間を狭くしておきながら孤独を嘆く。 下劣な者は、場を荒らし道を汚しておきながらそのことに気がつかない。 かれらは、自分の行き着くところを見て愕然とすることになる。

賢者は、善き人々と親しみ世間を平らかに歩む。 すぐれた人は、場を整え道を浄めて妄想分別に赴かない。 かれらは、それぞれの行為の帰趨を楽しみつつやすらぎへと近づく。

愚かな者、下劣な者にとって、この世はつまるところ辛く苦しいだけのものとなる。 その一方で、賢者は世間を楽しみとともに渡り歩き、すぐれた人はついに安らけく究極の境地(=ニルヴァーナ)へと到達するのである。

聡明な人は、ことの真相を知って自らの歩みの行き着くところを終局以前においてさえ見極めよ。 そうして、自分だけでなく誰しもがこころから望むこの究極の場所へと到達せよ。