【上手を超えて】

結ぶのが上手な人は紐やロープを使わないで結ぶので、誰も解くことができない。 閉めるのが上手な人は鍵や錠をつかわないで閉めるので、誰も開けることができない。 隠すのが上手な人は敢えてすべてを明かすので、誰も見つけることができない。

しかし、それでもいとも聡明な人は、結ばれた情の結び目を解き、閉められた真理の扉を開き、世に稀有なる法(ダルマ)を見い出してついに覚るのである。

こころある人は、上手を超えた明知によって円かな覚り(=ニルヴァーナ)へと到達せよ。 それは、誰にもひとしく備わっている筈のものであるからである。