【自らに依拠している人】

そのことを聞こうが聞くまいがそれに関係なく、自分はきっとそれをそのように思ったであろうと確信できるならば、かれは自らに依拠している。

そのことがあろうがなかろうがそれに関係なく、自分はきっとそれをそのように理解し、きっとそれをそのように為したであろうと確信できるならば、かれは自らに依拠している。

そのことを目の当たりにしようがしまいがそれに関係なく、揺らぎ無く、自分はその為そうとしたことを断乎として為すと決心しているのであるならば、かれはまさしく自らに依拠している。

明知の人は、世間の何を見聞きしようとも、その見聞きしたことに心が汚されない。 先天的なことがらについても、先験的なことがらについても、それ以外のどのようなことがらについても、それらがかれの自由な行為を束縛することはあり得ない。 かれこそ自らに依拠している人なのである。

円かなやすらぎを求め、道を歩み行く賢者は、つねにそのようであれ。