【崇高なる境地】

人は決して孤独ではない。 しかしながら、こころある人が真実を知ろうとして「孤独の境地」に励むならば、かれはついには孤独を超えたその境地を究め尽くして<平等心>を完成するに至るであろう。

この孤独を超えた境地は、決して孤独な世界では無く、かと言って孤高に徹した境地でもない。 それは、<崇高なる境地>と名づけられる境地であると知られるからである。

人がこの境地に至るならば、かれは一切世間を出離して何ものにも煩うことはなくなるであろう。 なぜならば、かれにとってこの世はいたるところ<平等>であると認知されるからである。

この<崇高なる境地>は、(完成された)<覚りの境地>そのものでは無いが、こころある人はこの境地を我がものとし、さらに因縁を生じて解脱して、不滅の安穏(=ニルヴァーナ)へと至れかし。 そこに至ることは容易ではないが、それは誰にとっても決して遠いところにあるのではないからである。