【気高さの中に存している】

人をして不滅の安穏にいざない至らしめる不可思議なる言葉(=法の句)は、世にめったに現れることはない。 しかしながら、その言葉が世に出現したとき、それは気高さの中に存している。 そして、実に多くのものがこの気高さの中に存していると知られるのである。

 ・ この世には、ときとして ”この上なく浄らかなるもの” が現れる。 それは、この気高さの中に存している。

 ・ この世には、ときとして濁り無き ”熱望” が現れる。 それは、この気高さの中に存している。

 ・ この世には、ときとしてまぎれもない真実の ”すがた” が現れる。 それは、この気高さの中に存している。

 ・ この世には、ときとして不可思議なる ”縁(えにし)” が現れる。 それは、この気高さの中に存している。

 ・ この世には、ときとして稀有に発せられる ”見事に説かれた言葉” が現れる。 それは、この気高さの中に存している。

もし人が、この気高さを如実に識るならば、かれは遠からず無上の安穏(=ニルヴァーナ)に至るであろう。 それゆえに、こころある人はよく気をつけて世間を遍歴せよ。