新刊: ブッダの世界観
人は誰でも、しあわせになりたいと思って生きているであろう。ところが、何を手に入れても、何を成し遂げても、真の意味でしあ
わせになったと満足することはむずかしい。現実問題として、ふとしたことで悩みを生じ、さまざまな苦が襲いかかってくるからである。
では、本当のしあわせに達することはできないのであろうか?
そんなことは無いと、しあわせの境地に達した人は言う。しかも、そのしあわせの境地には基本的には誰もが到達し得るものだと説かれるのである。その境地を、
仏教用語でニルヴァーナと呼ぶ。
ただし、漫然と生きているだけではニルヴァーナに到達することはできない。その境地に至るためには、一なる道を歩み、覚らなければならないからである。
ここで、次なる問題を生じるであろう。それは、どうすればその一なる道を見出すことができるかということである。そのために必要になるのが、あり得べき世界
観を保有することである。
たとえば、「千万の生涯を経ないとしあわせの境地には到達できない」という世界観を持っている場合、現世でしあわせに達することは最初から諦めてしまう
かも知れない。逆に、「比較的容易にしあわせの境地に達することができる」という世界観を保持している人は、希望ある人生を送るだろう。
もちろん、世界観とはこの世界に対する個人的な態度を決める根底のそれのことであり、本来各自がそれぞれに抱くものである。したがって、すべての人々が
同じ世界観を抱くなどということはあり得ないことであるのは承知している。それでも、一定の世界観を保有しない限りニルヴァーナに到達し得ないこともまた
事実なのである。
そこで、本書ではブッダの世界観を提示するものの、それは演習的に用いるべきことを提案するものである。しあわせの境地に至ることを求める人は、ブッダ
の世界観を知った上で自分自身の考えや思いに沿って自分自身の世界観を打ち立て、人生に役立てて欲しい。それがあり得べき世界観となったとき、しあわせの
境地へと至る道が開けるであろうからである。
ブッダの世界観
紙の書籍(ムゲンブックス:デザインエッグ社刊 B6版サイズ 128mm×182mm) 2020年3月30 日刊行。
紙 の書籍(AmazonのKindle版 新書判サイズ 105mm×173mm) 2021年11月09日刊行済み。