【仏国土】

すべての仏国土は言葉の上に、言葉を縁として成り立っている。そこには、見事に説かれた、理法に適う、耳に心地よい、真実の言葉だけが存在している。

そこには恐れるものがない。そこには憂いがない。そこには苦悩がない。

そして、この仏国土はすべての人が自ら建国することができ得るものである。

すべての仏国土は、もちろん母国語で成立する。そうでなければ、仏国土に国民はいないことになってしまうだろう。そこには無数の国民が住み、暮らしているが、そうでありながら互いに争うことがない。それで、仏国土と呼ばれるのである。