【あり得べき正しい見解(2)】

命を繋ぐことにこだわる者は、死を怖れている。死を怖れる者が、命を繋ぐことにこだわる。

明知ある人は、死は超えることができるものであると知って、正しい道の歩みに勤しむ。静けさをめざし、精進を重ね、功徳を積んで、ついに解脱を生じて、死に打ち勝ち、死を超えた境地(=ニルヴァーナ)に到達する。

死 を怖れる者は、為すべきことを為し終えていない。為すべきことを為し終えていないゆえに、人々(衆生)は死を怖れる。その一方で、為すべきことを為し終え た人は、死を怖れない。為すべきことを為し終えた人は、この世において別に為すべきことがないことを如実に識って、死を怖れず、死に打ち勝っており、輪廻 を断ち切っているのですでに死を超えている。

解脱した人は、最後の人生を楽しみ、死してのちもうこの世には戻ってこない。愚かな者が、苦の輪廻をくり返し、ついに解脱しないのである。