【人が為すべきこと】

人がこの世で為し遂げるべきことは、次のことである。

一つの為すべきことは、人と世の真実を明らめ(見極め)て真如の現れを見ることである。
これによって心解脱を生じ(名称(nama)の解脱を生じ)不還となる。

一つの為すべきことは、功徳を積んで因縁を生じ、識別作用の滅を見ることである。
これによって身解脱を生じ(形態(rupa)の解脱を生じ)阿羅漢となる。

一つの為すべきことは、諸仏に親近し、さらに功徳を積んで一大事因縁を生じ、一切から解脱することである。
これによって慧解脱を生じ(名称と形態(nama-rupa)の解脱を生じ)仏となる。

これらのどれか一つでも為し遂げたならば、この世で為すべきことを為し遂げたのである。


【補記】

子供らしい遊びを満喫し、子供時代に未練を残さない。これが大人になる一つのプロセスである。

子供時代からしっかりと勉強し、成長して、成人する。これがきちんとした大人になる一つのプロセスである。

よく学び、よく遊んで、温和で立派な人になる。これが「彼はおとなだ!」と称される立派な大人になる一つのプロセスである。

どれによっても大人だと認められるであろう。それでも、立派な大人になるに越したことはない。

人々(衆生)もまたそのように、不還でもなく、阿羅漢でもなく、仏となるべきである。