【公案は基本形である】

公案は、一見してひねったような、特殊な問いに見えるであろう。 しかし、公案はむしろ基本的なことを真っ直ぐに問うている。 したがって、公案に取り組む人は公案で述べられている言葉を真っ直ぐに、素直に解釈してイメージを膨らませ、誰もが行き着くであろう一なる答えを導き出さなければならない。 公案が、何かひねった問題だと思い込んでしまうと、とても解くことはできないであろう。 公案に取り組む人は、この点に注意してチャレンジして欲しい。


さて、ここに基本形と特殊形の違いを説明するために、やや数学的な説明をしたい。

[問題]

 下の図形を同じ面積に二等分する一本の直線を引け。



この図は、まるで基本的な図形に見えるであろうが、実は特殊形である。 この図が一見して基本形に見えてしまうので、回答者は容易には答えを見つけることができなくなってしまうのである。

この問題の核心部は次の部分である。 すなわち、『面積を二等分する...』というくだりがそれにあたる。 二等分するとはどういうことか? が素直に分かれば、この問題は解ける。 解けてしまえば、小中学生にもそのからくりを説明することが出来るだろう。

そこで、この問題の基本形(一般的な形)を提示したい。 いぶかしく思うかも知れないが、一見して複雑な次の図が基本形である。 図中の黒い部分は穴(開口)である。

 → 基本形の図は  をクリック


 → そして、基本形の図の回答は  となる。(アイコンをクリック)


 → よって、首記の問題の回答は  となる。(アイコンをクリック) 答えが分かった人は、簡単な問題だと感じるに違いない。