【我が身にひき比べて】

我が身にひき比べて知るというのは、相手を観察するということである。 もちろん、それは勝手な思い込みであってはならない。 一切の先入観を捨てて、相手を注視しなければならない。

しかし、あからさまに相手を見てしまうと真のすがたを見せてはくれない。 真のすがたを見なければ、我が身にひき比べることもできないことである。

それゆえに、真相を知ろうとする人は正しい観察を為せ。 その具体的なことを思いついたならば、心解脱は近い。 真相を見た人は、それに正しく対処するための表象をも同時に見るからである。