【考えただけでは】
善いことでも、そうでないことでも、何かを考えただけでそれが考えた通りに起こるとは断定的には言えない。 むしろ、何一つ考えたとおりにはならない。 それが真実である。
すなわち、人があることについてくり返し考えるならば、彼はそのことについての結果を生じる。 しかし、それが実際に生じたとき、それは彼自身思いもよらない形で結実することになるのである。
善い考えは善いことが起こる前兆である。 善からぬ考えには善からぬことがつきしたがう。 そして、恐ろしい考えには不吉なことが影のようにつきまとうことになる。
それゆえに、こころある人は考えによって自分をも他人をも安らぎにいざなうべきである。 考えたことがらによって後悔することが無いようにしなければならない。 なんとなれば、何一つ考えたとおりにはならないとはいえ、人の身に何が起こるかはその人の考え次第であるからである。