【行および為すべきこと】

徳行に篤い人は、解脱以前においても安楽を得る。 そして、それは解脱の因ともなり得るものである。

為すべきことを為すべきことであると知って為し、為すべからざることを為すべからざることであると知って為さないならば、人はついに妄執の滅を為し遂げるであろう。

善を行なうことよりも、悪をとどめることの方がすぐれている。 喜ばせることよりも、悲しませないことの方がすぐれている。 言うことよりも、聞くことの方がすぐれている。 そして、与えることよりも法の句(=善知識)の方がすぐれている。 何となれば、人は法の句によって解脱するからである。

さらに、仏に親近することよりも自ら仏になることの方がすぐれている。 そこには全きやすらぎがあるからである。

仏達は、行に励み、為すべきことを為し遂げて、円かなやすらぎ(=ニルヴァーナ)へと到達したのである。