【小さなうちに悪をとどめて】

悪をとどめることは難しい。 悪は極小さいものから始まり、軽んじているうちに知らずに大きくなって、気づいたときにはどうしようもなくなってしまうものであるからである。

人は、善かれと思って悪を為すことがある。 自分では善いことをしたと思い、歓喜につつまれて、笑いながら悪を為すことさえあるのである。

聡明な人は、悪を軽んじてはならない。 自身から起こり自身から現れた悪が、極小さなうちにそれをとどめよ。 それによって、山ほどもある大きな怒りや海のように深い悲しみをも制することができるからである。