【心の汚れ】

欲心が世間の汚れである。 欲におぼれ、執著を起こすゆえに人は苦悩する。 したがって、人が自らの心にわき起こる欲望を制し導いて、我執(我ありという思い)と愛執(我がものという思い)とを離れたならば、かれ(彼女)は心の汚れを浄めるに至る。

それは、世に稀有に現れる真実に清らかなるもの(善知識たるきよらかな言葉や行為)を眼のあたりにすることによって為し遂げられる。 聡明な人は、それが人を喜ばせようとして為されたものではなく、人を悲しませまいとして為されたものであるのだと気づくであろう。

それゆえに、心を浄めることを願う人は、真実に清らかなるものを見、真実に清らかなる言葉を聞こうと熱望して、よく気をつけて世を遍歴せよ。 その清らかな行為や言葉は、決して遠いところにではなく、それぞれの人のごく身近に出現するからである。