【賢者】

同じでないものを同じであると見なす者は、賢明さを欠き、真理から遠く隔たっている。 かれが何をどのように学ぼうとも、かれの経めぐり歩きは、逸れてよろめき歩くことにならざるを得ない。

しかしながら、何を見聞きしても、ひとしいとか、ひとしくないとかを分別・主張する根底のこだわりを離れた人は賢者であり、すでに真理の近くにある。 かれは、真実をこころに知って迷い無く、争わず、異教に誘われない。 かれの学びの経めぐり歩きは、平らかなものとなるであろう。

安らぎを求める人は、心構え正しく、聡明であって、想いを落ちつけ、よく気をつけて世間を遍歴せよ。 賢者は、人と世の真実を自らの目で見極めつつ、一切の偏見を超えて自己をととのえ、究極の学びを体得せよ。