【道しるべ】

ここなる人が、他の人の所作・言動・振る舞い・態度などを見て、「かれは楽しそうである」と思うよりも、「かれは寂しそうである」と感じたとするならば、それは実にめぐまれたことなのである。 それは、およそ人がひととして生まれ歩む人生において行うべき正しい省察の大いなる糧となり、かれをして自ら不滅の安穏へと導き至らしめる確かな道しるべとなるからである。

そして、そのようにして世間をわたるかれこそ<遍歴の行者>と称すべきであり、かれはそれにふさわしい現証を体現して、実際にもそのように称されることになるであろう。 それがそのように起きることは、そのようにめぐまれていたという最初の時点にこそ求められるのである。

それゆえに、明知の人は、人と世の真実(=すがた)を見極めて、大いなるめぐみを我が身に体現せよ。