【病いの克服と終滅】

それが身体に関するものであろうと、心に関するものであろうと、あるいはまた自分では特定できない何かに関するものであろうと、人々(=衆生)は皆それぞれに病んでいるのである。 それゆえに、病いの苦しみを知る人は、他の人の病苦を見聞きしたのであるならば、その病いのもとのものについての考究はさておき、他人事ではないとこころに知って、兎にも角にもその人と、その人の病苦にまつわるいかなる人をも悲しませないようにと心がけ、慎しんで行為すべきである。

もしそのように心がけ、慎しんで行為する人があるならば、かれは必ずや善き友を得て、自ら抱える(三つの)毒を下すに至ることであろう。 かれは、見かけの病苦を克服し、ついには病いのもとのものそのものをも終滅せしめるのである。 けだし、善き友こそがこの世における最上の妙薬であるからである。

こころある人は、善き友を持ち、それにもまして自らが他の人の善き友たる人であれかし。