【初心】

ある人が、自ら明晰であるにもかかわらず敢えて自分を初心者だと位置づけ、真実の教えを真実に聞こうと熱望して、つねに新鮮な気持ちで世間の出来事に対峙し、順逆の念を離れ、よく気をつけて、日々精進しているのであるならば、その人は実に気高く、美しく、輝いている。

そのような人が、覚りの境地に至ることをこころから望み、目指しているのであるならば、まさにそのような人こそ覚りの境地に至るべきであり、実際にも至るであろう。 なんとなれば、かれこそが発心している人であり、すでに発心している人が覚りの境地に至らないことなどあり得ないからである。

こころある人は、つねに初心にかえって精進する初心者であって、しかしそれゆえに道に熟達した覚りの道の達人であれ。