【真実の言葉】

真実の言葉は、ただ一つのことを語る。 しかしながら、世において語られる多くの言葉は真実ならざるものなのである。

ここに、人が賞讃の言葉を発すれば、それに同調する人にはその言葉は賞讃されるが、それに同調しない人はその言葉を非難する。 ここに、人が非難の言葉を発すれば、それに同調する人にはその言葉は賞讃されるが、それに同調しない人はその言葉を非難する。 すなわち、賞讃や非難の言葉は、一つの言葉でありながら同時に二つのことを語っているのである。

賢者は、賞讃や非難の言葉にはこのような危惧があり、これらは真実の言葉では無いと識ってそれらに近づかない。

道を求める人は、二心なき真実の言葉を語り、また他の人が発する真実の言葉をこそ聞く耳をもつ人であれ。 そのほかの言葉は、こころを安んじるものでは無いからである。