【仏教経典の読み方】

世に存する数多の仏教経典を読むときには、次のことに留意して読まなければならない。

 (1) 経典は、全編に亘って真実のやさしさについて語っている。
 (2) 経典の記述には一切の嘘いつわりが無く、どの部分においてもそれについての唯一なる真実(理法)を語っている。

仏教経典は、このように語られているものである。 そこには、余分な記述や意味のない適当な記述、および曖昧な記述、あるいは思わせぶりな記述などは一切 なされていない。 そこには、理法と名づけられるそれ以外には解釈しようの無い真理のことばと、それをこころに知る人ならば決して混乱を生じることのない 簡潔な文章があるだけである。

覚りの境地に至ることを目指す人は、(自らに縁のある)仏教経典を正しく読み、理解して、疑惑を超え、心を(けしかけることなく)正しく奮い立たせて、自らいだく迷妄と妄執を超克し、心に巣くう悪魔とその軍勢をうち破るべきなのである。